こんにちは、もめです(@momecamp0121)!
以前、パンダテントの比較記事を書いたときに、テント素材についても軽く調べたことがありました。
そこで気づいてしまったんですよね…
アウトドアギアの素材ってめっちゃいろいろある!!!面白そう!!!
ということで、今回はひたすらに気になる素材を調べまくって、まとめてみました。ベーシックなポリコットンから、UL系の素材まで。もはやキャンプの範疇を超えて、登山まで足を踏み込んでいます。その結果文字数1万3千字超…気になるところだけ読むのをおすすめします(笑)
僕はまだ完全なる素人なので、「調べたことをここにまとめておく」のクオリティを超えることは出来ませんが、一緒に勉強していくという感覚で読んでいただけたらなと思います。僕自身は、これを期にマニアへの道を歩めたらなぁと思っています。(笑)
それでは見ていきましょう!
【定期】ブログの感想や質問お待ちしております!→https://potofu.me/mome(匿名の場合はマシュマロからどうぞ。(通知に気づかずお返事が遅くなる可能性大))
もくじ
ポリエステルとナイロンとコットン
テントの素材のお話、まずは基本となる「ポリエステル」と「ナイロン」と「コットン」について簡単に学んでいきます。
現在発売されている多くのテントには、この3つの素材のどれかが使われています。
本当は、表の形で比較したかったんですが、素人には同じ条件下で単純比較するのは難しそうで断念しました。奥が深いマテリアルの世界…
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ポリエステルとは
ポリエステルは石油から作られる合成繊維の一つです。機能性が高く、原価が安いため、テントのほかにも僕らが普段来ている服にもよく使われています。
テントだとこのポリエステルを使用しているものが一番多いです。
基本的な特徴としては、
- 耐久性が高い
- 吸水性・吸湿性が低い
- 耐候性に優れている
などがあります。
耐久性や耐候性に優れているのは、熱や紫外線に強いということで、まさに野外で使用されるテントにはぴったりな素材だということがわかります。
吸湿性・吸水性が低いというのは水分を吸いにくく、雨にさらされても性能の変化が起きにくいということです。
このようにアウトドア向きな特性の上、ナイロンよりも安価なためテントの素材によく使われるということですね。
ポリエステルを使ったテントは?
ポリエステルを使ったテントはたくさんありますが、一例としてsnowpeakのアメニティドームは、フライシート・インナーテントともにポリエステルを使用したテントです。
その扱いやすさから初心者の入門テントとしても名高い、ベストセラーテントですが、ポリエステルを使うことによって、価格も比較的手が出しやすくなっているわけですね。
実際安いのかはわからん。この記事書くときに、ULテント見すぎて価格基準ガバガバになっている説は大いにある笑。でもスノピのうたい文句に「高品質のスペックでありながら、お求め易い価格帯。 (キリッ) 」って書いてあったもん!!!!
ナイロンとは
ナイロンはポリエステルと同じく石油から作られた合成繊維です。ポリエステルと並ぶほど多くの服などに使われる合成繊維の代表的位置づけ。
ナイロンの基本的な特徴は、
- 耐久性が高い
- 熱に弱い
- 吸湿性・吸水性が低い
などです。
ポリエステルの特徴と非常に似通っていますが、大きなポリエステルとの違いは、ナイロンが熱に弱いこと。耐摩耗性はナイロンの方が強く、基本的にはナイロンの方が耐久性が高いのですが、熱に関してはポリエステルに軍配が上がります。
ポリエステル同様に軽く、弾力性もあり丈夫ですが、ナイロンの方が原価が高いのでポリエステルの方がベーシックな素材になりやすいみたいですね。
ナイロンを使ったテントは?
ナイロンを使ったテントの例には、僕が大好きなパンダを使います。
パンダレッドは、フライシートにはナイロン、インナーテントのボトムにはポリエステルが使われています(パンダのインナーはフルメッシュ)。徒歩や自転車での持ち運びにも気遣われたデザインのため、より軽いナイロン素材がフライシートに使われているのでしょうか。
ちなみに、現行パンダシリーズのより軽量化されたモデル「パンダLIGHT」はインナーボトムにナイロンが使われています。(レッドはポリエステル)
こうみていくと、やはり軽量化にナイロンを活用していることがわかりますね!
え、おもしろい…マテリアルの世界…
コットンとは
コットンはポリエステル・ナイロンと違い天然繊維です。植物由来の素材なんですね。コットンは綿とも言われ、洋服に最も多く使われる素材でもあります。
その基本的な特徴は、
- 耐熱性・吸水性が高い
- 丈夫・火に強い
- 重量がある
って感じです。
化学繊維のものよりも丈夫で長持ちです。火に強いため、キャンプにおいては近くで焚火をしても火の粉の心配をあまりする必要がないというメリットになります。
さらに吸水性が高いため、テントに使われる場合、結露しにくいという大きなメリットが生まれます。
ナイロンやポリエステルのテントは防水加工などでより防水性能を上げているテントが多いですが、コットン系のテントは吸水性が高いというメリットを殺してしまうためそれらの加工はなされません。
高い耐水性能はありませんが、水分を含むと膨張して生地の密度が上がり、雨を防ぎます。普通の雨ならば問題なく耐えることができるようですね。
逆にその特性がデメリットにもなり、濡れるととても重くなり、しっかりと乾燥させないとカビてしまいます。吸水性が低く速乾性が高い化学繊維の素材とは、扱い方が大きく異なります。
コットンを使ったテントは?
コットンを100%使ったテントって意外となくて、コットンとポリエステルを混紡したTCテントが多いみたいです。純粋なコットンテントはやはり扱いが難しいんでしょうね…
そんな中、ベルギー発祥の“CanvasCamp”はコットン100%のテントに拘って販売製造しています。
おしゃれなティピテントは自然に溶け込むサンドカラーで、とっても魅力的です。雪中で薪ストーブを焚きながらテントの中で団らん…一度はやってみたいですねぇ。
繊維の織り方のお話
今度は、テントの仕様を眺めていると素材と一緒によく目にする、タフタやデニールについて勉強していきます。これらの繊維の織り方を見ることで、そのテントの特性などを読み取ることができます。
ふむふむ。このテントは7デニールか…かなりUL向けなテントだね…(どやっ
なんて風ににどやっすることもできます。(覚えたての言葉を嬉しそうに使う初心者の図)
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デニール(D) とは
デニールとは、糸の太さの単位のことで、糸9,000メートルのグラム数を表しています。
例えば、ある素材の糸の9,000メートルが80gだった場合は80デニール(80D)になります。
なんで太さを重さで表すんだ!と思ったんですが、これは糸は非常に細いため、その長さ(太さ)を測るのが難しいからなんだそうです。そこで一定の長さの質量でその糸の太さを比べようということらしい。
同じ糸の材質同士で比べるならばその密度は同じ、だからその一定の長さの重さを測れば太さがわかるって算段らしい。ちょっと難しいですが理解はできた気がする。
テントの場合は数字が大きくなると、糸が太くなるので強度が増すし、重量も重くなるという認識です。
ん?ってことはあれですよね?タイツのデニール数とテントの生地のデニール数は、繊維の素材が違うから一概には比べられないってことですよね?合ってますかね…?え、そしたらコットン素材のテントとポリエステル素材のテントのデニールを単純に比べてもだめだってこと?だよね…?詳しい人教えて!!!!
素材が異なり単位が異なると数字が大きくなると糸が太くなるのか、細くなるのかは、基本として知っておく必要があります。 基本的には、綿や毛や麻といった短繊維は数字が大きくなると細くなる恒重式、 ポリエステルやナイロンといった長繊維は数字が大きくなると太くなる恒長式と考えておくと 大きな間違いではないと思います。 次に、組成が異なった時に、ある糸と同じくらいの太さの糸はどのような数値の糸であるのかという点です。 例えば、綿の60番手はポリエステルでいうと何デニールになるのか。
引用: 糸の太さについて(糸番手換算システム) |Masuda
これを見ると、上記の僕の認識で間違っていないようですね。
というかそもそも綿(コットン)はデニールじゃなくて「番手」で数えるのか???よく考えてみたらコットン系でデニール書いてあるテントあんまりない…?
基本的にデニールは同じ素材同士で比べるのがよさそう。この認識が間違っていたらまた更新しますね。
タフタ とは
タフタは「ポリエステルやナイロンなどで織られた平織の密な織物の総称」です。滑りがよく、適度な光沢があるのが特徴です。
縦横交互に糸を交差させた平織りで、190Tなどと表記されます。数字は1平方インチ内に何本糸があるかを意味しており、数字が大きいほど密度の高い生地になります。190Tは190デシテックス(デニールと同じような糸の太さを表す単位)と勘違いされやすいのですが、一般的にテント生地のスペックを指す際はT=タフタを表していることが多いです。
引用:テント選びに差が付く!テント生地の少しマニアックな話 |DOD
うむ。おそらく織物の名称でもあり、また生地の糸の密度を示す単位でもあるようです。
先練りにした生糸のうち、細いものを経糸に太いものを緯糸にして織りだすもので、経糸は緯糸より本数が多く2倍ほどになる。この太い横糸がごく細い粗い畝を表面に浮き出させている。地には張りがあり、軽く薄い布地の割には固さを感じる。同じ絹の平織服地であるファイユはタフタよりも厚手だが、より柔らかい。独特の硬い光沢があり、経糸と緯糸に違う色を使った玉虫織りのタフタも存在する。一般的に、リボン、女性用服地などに用いられる他、滑りが良いことから衣服の裏地、洋傘地などにも使われる。
引用:タフタ| フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オックスフォード とは
平織シャツによく使われる目の粗い織り方だそう。 斜子織り(ななこ織り) とも言われます。
特徴としては縫い目がはっきりしていて、少し厚手、通気性がよくて肌触りがよいなどが挙げられます。
タフタに比べて引き裂き強度が高く、耐久性があるためテントのフロア生地に使われることが多いみたいです。
なぜ縫い目がはっきりするんだ、と思ったんですが、タフタと違って数本の糸をまとめて織るからみたいです。かごを思い出すとわかりやすかったです。
リップストップ とは
リップストップ生地とは、ナイロンやポリエステル、コットンなどの生地にナイロンが縫い込まれた生地のことで、生地の強度を増すためになされます。
ナイロンは摩耗に強く、強度が高いので、縫い込まれた生地の耐久性がアップするというわけですね。引き裂け防止の役割も果たしてくれる優れものです。
加工方法のお話
テントにはそれぞれの素材の特性をもっと引き出したり、新たな特性を加えるために、表面加工されているものがあります。この項ではそのコーティングについて学んでみました。
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撥水加工と防水加工の違い
撥水加工と防水加工はよく聞きますが、その違いって何なのでしょう。
撥水加工は生地の表面をシリコンやフッ素でコーティングして、水等を“弾く”役割を担います。布の隙間はふさがずに、空気や蒸気は通すので通気性が保たれて蒸れにくいのが特徴です。しかし、大量の水だと、普通に通してしまいます。
では防水加工はというと、塩化ビニルや合成ゴムなどそもそも水を通さない生地で作られていたり、生地の隙間にゴムや合成樹脂を塗り込んで水を通さないようにする加工のことです。
防水加工は撥水加工のコーティングと違って生地そのものに手を加えるものなので、使っていくうちに効果が落ちてくる、なんてことはありませんが、空気すら通さないので蒸れるという特徴を持ちます。
ちなみにゴアテックスという素材は、防水透湿素材と呼ばれ、水や風を防ぎかつ湿気は通すという最強素材です。撥水と防水のいいとこどりですね。
ポリウレタンコーティング(PUコーティング) とは
ポリウレタンコーティングはテントの裏側になされるちょっとべたっとしたコーティングです。これを行うことによって水の侵入を防ぎやすくすることができます。
デメリットとしてはよく聞く「加水分解」を起こすこと。ポリウレタンが水と反応して分解反応を起こしてしまうんですね。これを防ぐには毎回しっかりテントを乾かしたり、テントをずっとしまっておいたまま放置しないなどする必要があります。どうしても湿気が溜まってしまいますからね。
シリコンコーティング とは
ポリウレタンでなくシリコンを、主にナイロン生地にコーティングする方法です。ポリウレタンよりも丈夫で防水性が高くなります。
残念ながらPUコーティングと同様加水分解はするようです。しかし、いろいろな言説を見ていると、PUコーティングよりは劣化に強いみたいです。そのあたりは使用環境にもよるので一概には言えませんが…
ただ、Twitterの民と話していて、結局は普通に使用しているうちは加水分解のことを心配することはないんだなという結論が自分の中ではいったん出ています。
定期的に使用して、しっかり乾燥などお手入れをしていれば、PUコーティングであってもそう簡単には加水分解はしない!たぶん!加水分解を起こしたとしたら、それはキャンプに飽きた時か、テントに飽きた時だ!たぶん!
あと、上に「主にナイロン生地」と書いたのには、いろんなテントを見ていると、ポリエステルにシリコンコーティングをしているものも見られたからです。基本はナイロンにされる加工らしいですが。Six moon DesignsのSMD lunar solo(ルナ ソロ)はシリコンコーティングされたポリエステル生地を使用したテントです。
デュラシールド とは
出典: MSR
もともとアメリカ空軍のために開発された新素材(テンプラ・フラックス)が配合されており、長期にわたり、強力な皮膜を形成し、塗装表面を保護してくれます。
引用: ポリマーを越えたモノマー質のコーティング剤=デュラシールド= |ペイントワークス
らしい!(笑)あまり情報が出てこなかったので引用で…
有名どころだとMSRのテントに採用されているらしくて、加水分解が改善されたんだかされてないのだか…
こちらのブログを見てみると…うむ、やはり加水分解はするようですね。どちらにしろテントのお手入れは大事だということに。
ちょっとマニアックな生地のお話
お次、ちょっとマニアックな生地のお話では、超軽量なULなテント素材だったり、TCなど特殊な混紡素材だったりを見ていきます。
UL系なんかは調べているとキリが無いので、これがすべてでは無いと思いますが、とりあえず調べていて目についたものを載せておきます。今後も気になる素材があったらここに残していこうと思います。
素材の奥が深すぎて、先が見えないんだが…?
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- シルナイロン
- リップストップナイロン
- バリスティックナイロン
- TC/VC/Cotpolmex C.(コットン系)
- キューベンファイバー
- eVent
- DFC-eVent
- Tyvek
- X-TREK™ファブリクス
- ナノシールド
- サランラップ(ネタ枠)
シルナイロン とは
リップストップナイロン生地にシリコンを染み込ませたものです。ん?つまりシリコンコーティング?
シリコンコーティングされたナイロン生地の名称みたいですね。
軽量で強度が高く、高い防水性が特徴です。
例えば、locusgearのクフ・シルLGはシルナイロンを使ったシェルターです。いかにもめっちゃ軽そう。ペグとポールを除いて450g。ウルトラライトだぁ…
NEMOのタニ 1Pもフライ・インナー共にシルナイロンを使ったもの。本体重量約1kg。こちらも相当な軽量モデルです。
リップストップナイロン とは
リップストップナイロン生地は、軽量ながら強度が高く、撥水・防水性にも優れているため、パラグライダー、パラシュートなどをはじめ、軽量テント、寝袋といった登山&キャンプ用品に使用されています。
引用: リップストップ生地の解説と軽量かつ丈夫な製品10選! |YAMA HACK
先ほど出てきたリップストップという製法をナイロン生地に施したものですね。ナイロン生地にさらにナイロンを織り込むことで、強度や撥水性防水性に磨きがかかるので、パラグライダーなどの生地にも使われるそうです。
個人的には空をも飛ぶ素材なら、もうキャンプで使おうものなら何の心配もいらないんだろうなとか思っちゃいます(笑)頼もしい。
フライクリークのHV UL1 EXはフライ・インナー共にリップストップナイロンを使用しています。オリーブ色かっこいいな…
バリスティックナイロン とは
バリスティックナイロンはアメリカの化学会社が開発した素材で、通常のナイロンの5倍の強度があるらしい!
なんとこの生地、防弾チョッキにも使われるらしく、かなり強度があることがうかがえますね。
バリスティックナイロンを使ったテントは、モンベルが主に出しています。
強度と軽量性を兼ね備えたシェル素材が、モンベルオリジナルのバリスティック®ナイロンです。この繊維は、紡糸の段階でナイロン糸に延伸加工を施し強度を持たせた物で、織物にした段階で従来のナイロンと比べて同重量であれば約2倍の引き裂き強度を実現しています。
引用:mont-bell
TC/VC/Cotpolmex C. とは
これらの素材はどれもコットンとポリエステルの混紡素材です。
TCはテクニカルコットン(コットン35%/ポリエステル65%)、VCはバリューコットン(コットン60%/ポリエステル40%)、Cotpolmex C.はテンティピのコットン・ポリエステル混紡素材の名称です(混紡割合は不明)。
それぞれコットンの割合が違うので、コットンの恩恵をどれだけ受けるのかで選ぶことになります。
少なくとも、どれもコットンの特性の
- 難燃性
- 吸水性・吸湿性
- 重い
は持ち合わせることになります。特に興味深いのがテンティピのテントで、公式サイトでは内部で焚火をするのに適したモデルが紹介されています。
北欧生まれのティピータイプの大型テントです。センターポール1本だけのシンプルな構造のため、組み立てはわずか数分で済みます。形状は8角錘と円錐に近いため風に煽られることもありません。
このジルコンCPはテンティピテントの中間モデル。ボディの素材はコットンとポリエステルの混紡素材Cotpolmex C.を用いているためキャンバス地のような風合いです。この素材は一般的なポリエステル素材に比べ「呼吸」するため結露は最小、インナーテントは必要ないほどです。
2重構造のトップベンチレーションは内部の低い位置からも微調整が可能で、ボトムにも1ヶ所のベンチレーションを備えています。そのため全天候に対応することができ、内部で焚き火を楽しむ最も適したモデルとなります。
引用: テンティピ ジルコン CP |Tentipi
難燃性と共に換気性能もかなり高いと伺えますが、中で焚火はなかなか聞かないので、いつかは一度触れてみたいですね。どれくらいでかいんだろうか…(笑)
キャンパーとしては北欧生まれってだけでワクワクしますが…
TCとVCはなじみ深いテンマクから出ているのがわかりやすいですね。サーカスTCはとてつもない人気を誇っていました。中で薪ストーブを焚いたぬくぬくキャンプしてみたい。
キューベンファイバー(DFC) とは
ポリエチレン繊維のダイニーマを、UV樹脂でラミネートしたフィルム状の生地。極薄でありながら防水性が高く、軽量でありながら防弾ベストにも使われるほどの強度と耐久性を誇る。U.L.系のアウトドアブランドが、タープやテントでキューベンファイバーを多く採用している。
引用: キューベンファイバーとは |GO OUT web
これまたすごそうな素材が出てきましたね…
そもそもダイニーマってなんぞやと思ったんで、調べてみました。
ダイニーマとは、もともとはアメリカの会社の「 高密度ポリエチレンファイバー(HDPE)」の商品名だったようですが、いつのまにかHDPEの代名詞のような扱われ方をするようになったようです。初心者なりの解釈だと、とにかく丈夫ってことですね。パラグライダーに使われるくらいで、特に引っ張り強度があるみたいです。
そのダイニーマをUV樹脂(紫外線を当てることで硬化させることができる樹脂)でラミネートした生地、ということですね。
キューベンファイバーの特徴は、
- めっちゃ丈夫
- めっちゃ軽い(水に浮くくらい、ポリエステルやナイロンは沈む)
- めっちゃ薄い(透けるくらい)
- 防水
のような感じです。弱点は透湿性がないことと摩耗に弱いことです。紫外線には強いので日光による劣化はしづらいみたいです。
テントでキューベンファイバーを使っているのは、LOCUS GEAR(ルーカスギア)のKhafra DCF-Bです。ペグポール除いて480g。めっちゃ透けそう…(笑)
eVent とは
ルーカスギアのマテリアル紹介を見ていると、これまた興味深い素材がありました。それがeVent(イーヴェント)です。
eVentとは、非常にユニークな透湿防水性のある膜を持つ生地です。その独特の組成は、非常に多くの小さな気孔が”Breathe(呼吸)”することを可能にし、汗は単純なステップでダイレクトに排出されます。その為、生地の内側をドライに保つことができます。これは、”Direct Venting™ Technology (ダイレクト・ヴェンティング、テクノロジー)”と呼ばれています。
引用:マテリアル|LOCUS GEAR
透湿防水性、でましたね。ゴアテックスと同じです。水や風を防ぐのにも関わらず、蒸気は通すってやつです。
一方、他の大半の透湿性防水素材は、文字通り”Breathe(呼吸)”しているわけではなく、ポリウレタンの層から遅い2段階のステップを経て汗を発散させています。まず、第1段階で凝縮し生地のポリウレタン層に吸収されます。ポリウレタンが汗を吸収し保持するため、生地の内側は濡れます。その後、体温が湿気を生地の外に押し出すことによって、ようやく蒸発します。これは、非常に効率の悪いプロセスです。
引用:マテリアル|LOCUS GEAR
あれ、ゴアテックスとは違うぜ、ということを言っているんですかね。これは。す、すげぇ(単純)
eVentは呼吸します。気功が呼吸するってそれもう植物じゃないですか…
DCF-eVent とは
さて、すごすご素材、キューベンファイバー(DCF)とeVentを見てきたところで、なんとLOCUS GEARにありました。この二つを合わせちゃったやつ。
従来のキューベンファイバーの弱点、透湿性の低さを解決してしまったのが、こちらのDCF-eVentらしい。
このDCF-eVent®は、新たに高い通気性を持ったダイニーマ®繊維の不織布を開発し、そこに防水透湿膜のイーヴェント®をラミネートした画期的な最先端機能性素材です。
引用: マテリアル|LOCUS GEAR
このDCF-eVentを初めてテントの素材として使用したのが、このLOCUS GEARです。すごい。そのテントがこれ。
Khafra DCF-eVent / カフラ DCF-eVent。675gで、お値段11万円。ちなみにさっきのただのDCFを使ったものは83,000円です。やはりお高くなりますよね。でもダイニーマ繊維に防水透湿膜をラミネートしたものって、素人の僕でもとりあえずすごいことはわかります。
Tyvek とは
LOCUS GEARシリーズ最後はTyvekです。
タイ ベック® は高密度ポリエチレン100%製の強靭で耐久性のある不織布です。タイベック® は0.5~10ミクロンの連続性極細長繊維が高圧で紡糸され、ランダムに積層された後、熱と圧力だけでシート状に形成されています。軽く、水に強く、強度 があり、通気する、とてもユニークな特徴を持つ素材です。
引用: マテリアル|LOCUS GEAR
これはつまり紡がれた繊維を圧力で薄っぺらくシート状にするということ…?
透湿性があるので結露がしづらいというメリットもあるようです。さらに気になるのが、よく見ると和紙のようなランダムな繊維の重なりを生地に見ることができるそう。すごい気になる。
出典:LOCUS GEAR
ゴアテックス ファブリクス とは
ゴアテックスファブリクス以外にも、なんだかほかにもいろいろありましたが、モンベルの説明を見るにこのゴアテックスファブリクスが一番防水透湿性に優れているみたい。本当にいろいろありすぎるので、とりあえずこれで許して。ここまで書いていて疲れてきました(笑)
1平方センチメートルに約14億個もの微細な孔(0.2ミクロン)を持つ、世界最高水準の防水透湿性素材(耐水圧50,000㎜以上、透湿性25,000〜98,000g/㎡・24hrs JIS L-1099B-1法・参考値)(※1)です。超耐久撥水性も実現しています。
引用:mout-bell
耐水圧50,000mmって、もうわけがわからないよ。
これを使っているテント気になりますよね。
さすがにこの性能だと、テントにはオーバースペックすぎるみたいですね。(笑)山で使うツェルトに使われていました。
悪天候下で生きることを考えると、このくらいのスペックは必要なんですね。キャンプかじっただけの僕にとっては、少し怖い。
ナノシールド とは
ナノシールド。ちゃんとした情報が出てこない…だいぶマニアックなところまで攻めちゃっているっぽい。
ナノシールド®は、ナノ(10億分の1メートル)という極小のレベルで、ウールに高機能を持たせる先端技術から生まれた、ナノテクノロジー素材です。ナノ技術により、ウールの繊維1本1本にまで機能剤を隙間なくカバーすることにより、耐久性のある優れた撥水撥油性が得られます。さらに、埃、花粉の付着も防ぐ機能があり、あらゆる生活面のケアに適した機能素材です。
引用:ナノシールド アルファ|御幸毛織株式会社
こんな説明は出てきたんですが、ウールだし…もしこれがほかの素材にも応用できるのなら、繊維の一本一本ナノレベルにまで機能剤をカバーして、より素材の機能を上げることができる技術、ということなんでしょうか。
BlackDiamond(ブラックダイヤモンド)のテントがこのナノシールドファブリックを採用しているみたいです。
メーカーの謳い文句は「生地に撥水性と通気性に優れたナノシールドファブリックを採用」。なるほどですねー(わかってない)
ちょっと情報が少なすぎるので、こんなのもあるんだぁ程度で留めておくことにします。
【番外編】サランラップ とは
やっっっっっとここまで来たよ!!!!!この!番外編を書くために!ここまで書いてきました。約1万3千文字。頭おかしくなるかと思った。
後半もうキャンプの域を超えて登山だったし()。でも楽しかった。これからも勉強していきたい。
さて、最後の素材はですね。サランラップです。サランラップ。
ポリ塩化ビニリデン製の透明な食品包装用フィルム。商標名。
引用:デジタル大辞泉
頭がおかしくなったわけじゃありません。いや確かに頭おかしくなるかと思ったと言ったけれども。
僕はこれを書くためにここまで頑張ってきたのです。
さて、サランラップを使ったテントはこちらです。
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まとめ
はい。
世の中にはいろんな素材があって、いろんなテントがありますよね。50,000mmの耐水圧を誇るツェルト(テントじゃないけど)から、真心こもったラップテントまで。キャブヘイさんいいよね。
まだまだちょっと調べてみただけのにわかですが、用語を知っただけでもかなりワクワクしてきたし、次のキャンプギア選びの幅が広がった気がします。
これからも気になる素材があったら、ここにぶっこんでおくことにします。
最後まで見てくださった方はお疲れさまでした。あと書いた人もお疲れさまでした。
【定期】ブログの感想や質問お待ちしております!→https://potofu.me/mome(匿名の場合はマシュマロからどうぞ。(通知に気づかずお返事が遅くなる可能性大))
参考サイト一覧
- ポリエステルとナイロンの違い|強度や特徴などの比較
- 吸水性と吸湿性の違い
- 意外と盲点!?テント生地の種類と選び方を紹介します!
- テント選びに差が付く!テント生地の少しマニアックな話
- 【繊維素材LABO】ナイロンってどんな素材?特徴とメリット・デメリットまとめ
- ポリエステルってどんな生地?生地の特徴を解説
- デニールって結局何の数字?
- 糸の太さについて(糸番手換算システム)
- タフタ|フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
- オックスフォード生地
- GORE-TEX
- スニーカーが加水分解する原因とは?
- シルナイロン
- 鋸岳縦走へ2号が行く(^_^;)(day2)
- キューベンファイバーとは?ハイテク素材の魅力と人気アイテム5選をご紹介!
- ダイニーマ dyneema
- 完全保存版!洋服の素材が誰でも分かる!簡易辞典
- 洋服で使用される素材・繊維の種類一覧!それぞれの特徴・特性を解説
- バリスティックナイロンとは?強度最強の裏に欠点が!
- 軽量なソロテントが欲しい!縦走デビューにおすすめのモデル23選
- マテリアル